施設名:社会福祉法人 嬉泉

部署名:なし

都道府県:なし

内容:

1、障害児・者の家族への負担が激増している。

●通所施設

*緊急事態宣言の発令後、自粛要請や施設のサービスの縮小等、日々と違う生活環境になり、家庭内で不安定な状態が見られるようになった。

障害者の場合

①利用者で日常的に短期入所施設の利用をしているが、自粛要請で利用が出来なくなり、日中の通所施設の利用は出来ているが、母親自身が休める時間が取れずにいる。常に気を張りながら対応している為、負担が大きい。

②移動支援等ヘルパーの利用が出来ないことで、家族が移動も含め対応している為、精神面だけでなく、体力的にも高齢の家族にとっては厳しい。

③自閉症の利用者の方は、外出が出来ないことで日頃のルーティンが崩れてしまい、(飲食店、プール、レジャー施設等)不安定になり睡眠状況にも影響が出てしまう。結果深夜でも執拗に家族に予定の確認をする等、家族の睡眠にも影響が出てしまい心身ともに疲弊してしまう。また、他傷、自傷行為、破壊行為、不眠、衝動的な行動が見られるようになると、対応が困難になり、精神的にも追い詰められてしまう。

④マスクをすることが出来ない為、買い物など身近なところでも外出もできない。また、マスクをしていないことで周囲の目が気になり、家族としても余計にストレスが重なってしまう。

⑤父親が在宅勤務である為、日頃はいない父親がいることでいつもと違う状況に不安定になり、そこで一つ一つ対応する母親のストレスがたまってしまう。

障害児の場合

①トイレットペーパーやティッシュペーパー、オムツ等がお店で購入が出来にくく、子どもの対応だけでも大変である時期に、生活に必要な物の購入にも神経を使い、母親の不安感が増した。実際に購入できず、施設の共有のオムツを使用するなどのことがあり、母親のストレスが高まった。

②緊急事態宣言発令に伴い、来所の自粛要請を自宅で過ごすことが大変な人には対応するという体制をとったが、在宅で過ごす利用児は長い期間、家で過ごすことで親子ともに行き詰ってストレスが高じたケースが多かった。特に母親のイライラ、不安など訴えるケースも複数あった。施設として来所をすすめ、定期的に通所するようになった人もいたが、中には、大変でも「感染が心配で外に出られない」「父親が心配して外に出してもらえない」等の理由で 通ってこれない児童もいた。そのことでまた更に母親のストレスがより高まるケースもあった。

③公園での遊びや外出が出来ないことで、家庭で出来ることをと母親が考え、玩具遊びや課題的な状況を作るが、そこでの対応がお互いにうまくいかず悪循環になり、お互いに苛々して余計にストレスを高めてしまうケースも多い。

④兄弟や姉妹が学校が休みの為、長期間、長時間母親が障害児を含め対応することに疲弊してしまう。また子ども達も、生活の変化に不安定さを見せているので、子どもの同士がけんかをすることも増え、より母親の対応が大変になってしまうことがが出てきた。

⑤父親が在宅勤務の為、母親の子どもへの接し方に父親が一つ一つ注意や意見等口を出す機会も多くなり、夫婦げんかが多くなり、母親が精神的に追い詰められることが見られるようになった。

●入所施設

以下は、家族・利用者共に共通する内容。

①家族との面会や家庭への帰宅も中止としたが、家族との交流が出来ず、両者ともに大きなストレス状態となった。今までの生活の中でこれだけの時期を離れて暮らしたことがなく、会えないことでのより不安が強くなってしまう傾向にあった。

②携帯電話や他の通信機器を利用しての面会も検討したのだが、利用者一人では機器の操作が出来ないため支援員が付き添わなくてはならず、その事での現場の負担が大きくなること、ある程度公平感を保つことを考えると施設側だけでなく家庭における機器の環境を整えなければならないため、すぐに実施することが出来なかった。

2、施設での利用児・者への対応に困難さが増した。

●通所施設

障害者の場合

・民立の障害者施設は、自粛要請をしても家族が高齢の為、通常とあまり変わらない利用がみられた。施設での生活はあまり変わらなくても、上記のように家庭生活の変化(休日や余暇時間に外出が出来ない)で不安定になり、他傷、自傷行為、破壊行為、不眠、衝動的な行動等の状態が見られると、家族が対応できず悪循環な状況を引きづりながら施設で過ごすことになり、施設側の対応も複雑さを増し困難さが増すことが多かった。

・施設でいつも散歩をしている公園に行ったが(日頃より日中は人が少ない場所である)学校が休みの為子ども達が公園に集中し、結果混む状況の中、利用者が散歩が出来ない等、利用しにくいことがあった。利用者は休日含め家庭生活でもかなり行動が制限され、いつもと違う状況に不安感やストレスを感じている為、あまり人との接触がない場所での散歩等で、気分転換やストレスの緩和を考えていたが、なかなか難しい状況があった。反対にいつものように散歩は出来ず、そのことでまた不安感が増す結果になってしまうことがあった。

障害児の場合

・感染防止対策として、職員のマスク着用を徹底しているが、子どもから分かりにくく、療育に大きな支障がある。口元が見えない、表情がわかりにくい等、もともとコミュニケーションに課題がある子どもの発達支援をしていく上で、そもそも無理があり、不利益、マイナスになることが多い。

・また、抱っこやおんぶ等も不可欠で、距離をとることも不可能なので、一般的な感

染対策は取りにくい。

・幼稚園や保育園を併用している障害児で、障害児施設が縮小でサービス提供をしていることで利用しているが、幼稚園、保育園が休園の為、日常生活のリズムが崩れ、障害児施設の登園日でない日にも利用希望が多く出ていた。家庭生活が困難な児童については利用受け入れを考えていく際に、利用時間帯などを変更しながら個々のケースに合わせ柔軟に対応する形を取るようにしたが、調整等が大変であった。

・父親の在宅勤務が増えた場合に、子育ての協力体制がとれずに、反対に注意や意見の相違などからくる夫婦間の不和や、子どもへの悪影響など、母親自身のストレスが高まり、日頃の子育てへの相談ではなく、家族間や夫婦間での相談や気持ちの発散の必要性が高まり、対応にも神経を使った。

・卒園児や退園児が、学校や他の療育先に通えないことで母子ともに不安定になり相談の電話が入り対応するケースがあった。日常の業務以外に対応することが増え、職員側の負担も大きかった。

●入所施設

*生活状況が一変したことによる利用者の不安が強くなり、対応への困難さが増えた。

・緊急事態宣言が発令されたが、基本的に入所施設における支援は継続しなければならない状況である。特に施設の場合は一人でも感染者が出てしまうことで、施設中に蔓延する可能性があるため、帰宅や面会、外出などについてはすべて中止とした。

その為、24時間、施設敷地より基本出ない生活となった。

入所児童に関しては学校への通学がなくなり、本来の学校中心の生活環境が一変してしまった。

・自閉症の利用者は新型コロナウイルス感染症への理解が難しいので、利用者によっては、理由も分からずに突然今までの生活が変わってしまったと感じている方もいた。結果、不穏な状態になり、他傷、自傷行為、破壊行為、不眠、多動などにつながってしまった。

・今までの生活で当たり前のように行ってきた活動が出来ないストレスは大きい。例えば、買い物に行くことが出来ない、外食に行けない、公共の交通機関の使用が出来ない等による制限は心的にもかなりのストレスであり、閉塞感も強い。

特に自閉症の方は、見通しが立たないことに対しては不安が強くなる傾向にあり、今回の緊急事態宣言にまつわる様々なことに関しては目途を立てることもできないため、より不安が強くなってしまった。

・通院が出来ない、自粛することを求められることが増えた。診察が可能でも電話にての診察の時もあった。診察の場合はマスクをするようにしたが、感覚過敏(皮膚など)の方に関しては抵抗感も強いが、つけなければ通院もできないため、病気によるストレスと、診察へのストレスが重なってしまう。

・家族との面会や家庭への帰宅も中止としたが、家族との交流が出来ず、両者ともに大きなストレス状態となった。今までの生活の中でこれだけの時期を離れて暮らしたことがなく、会えないことでのより不安が強くなってしまう傾向にあった。

携帯電話や他の通信機器を利用しての面会も検討したのだが、利用者一人では機器の操作が出来ないため支援員が付き添わなくてはならず、その事での現場の負担が大きくなること、ある程度公平感を保つことを考えると施設側だけでなく家庭における機器の環境を整えなければならないため、すぐに実施することが出来なかった。

・施設は利用者にとっては家庭であり、支援員は生活を支えることであり、家族のような存在であると考える。しかし、それ故に身体的な接触は多く、食事、入浴、排せつ、洗面など身体接触をなくした支援は在りえない。しかし、感染予防の観点から考えると、ある程度の距離は保つ必要があるのだが、現実問題難しいというだけでなく、その距離を取らないといけないという意識が、支援を受ける側にも影響を及ぼしていることは確実にあると感じている。

・また、職員側ももし自分自身が感染者となって、利用者に感染させてしまったらという不安は絶えず感じており、そのことに対しての緊張感が疲労感につながっていた。

・もし感染者がでたらという不安感は支援員側にかなり強く響いている。

入所施設に関しては支援を中断することは出来ない。なので、もし利用者、支援員に一人でも出た場合、どのように対応するべきなのかということももちろんだが、職員も施設から出れず、休息も取れずに数週間程度勤務にあたることになるのではないかなどの不安や緊張感は大きい。

・近くの病院において感染者が出た際に、その病院で働いている家族の子どもが‘コロナがでた病院で働いている家族がいる’事で、いじめられているという話があった。このような理解のない言動を聞くと、支援員自体の意欲、士気にも大きく影響がある。

3、施設運営面では、自粛で欠席が多くなることで大幅な収入減となった。

●通所施設

・民立の施設は自粛要請や縮小でのサービス提供ということで、開所はしていたが自粛欠席が多くなると、大幅な収入減となった。電話による相談援助の対応も毎日の通園利用の方は、毎日の電話対応が家族にとって負担になる場合や、利用料の負担分がでると電話による相談援助を希望しない家族もいる。民立の施設は利用して収入が入るので運営的に厳しいものとなった。

・衛生用品の確保が難しくなり、常に気を使いながら対応していた。

●入所施設

・基本的に入所施設に関しては利用者数が大きく変動することはないが、入所待機をしている児童が入所できないことでの減収、短期入所の利用を中断したことによる

収入減、逆に感染症対策への衛生用品の使用量の増加、それに伴う支出の増加があった。衛生用品の確保が難しくなり、また高額になっていることの負担が増えている。

4、関係機関(行政含め)の方針の違いから、施設対応にも難しさが見られた。

●通所施設

・学校、幼稚園、保育園、障害施設とそれぞれの方針に、対象期間等も含め多少の違いがある。それは区立、民立等でも違いがある。自治体が方針の中でより具体的な対応の部分をはっきりとださない時は、施設側が判断するが、施設側としてはどこを基準に考えればいいのか、迷うことがあった。またそれぞれの自治体でも違う場合があり、家族としてはその違いに戸惑いを見せる場合もみられた。

・兄弟や姉妹など、学校や幼稚園・保育園等が休園の期間や状況が違うことで、障害児通園施設としては受け入れが可能でも、保護者が送迎含め対応が出来にくく結果欠席となる場合がある。教育や福祉とある程度足並みをそろえられると良いとは思うが、難しさがあり、保護者側の負担につながってしまう。

・区の委託施設で、頻繁にやりとりしながら確認し、区の指示のもとに動く、という形をとった。しかし、区は国や東京都の方針が出ないと決められない、ということで、ギリギリにならないと決まらず、また行政内でも判断が違ったり、周囲の状況(区内の他の区立施設の状況等)等によって途中で判断も変わったり、動いていくので、その都度利用者への周知や、体制の準備等に追われ、大変だった。特にいろいろな事業があり、利用者総数も1,000名を超え、それぞれ事情も違うので、それぞれへの対応、調整等も大変だった。

●入所施設

・入所に関しては、やむを得ない施設とのくくりになるので、支援を継続することに対しての迷いは特になかった。

5、施設で働く職員側の緊張感やストレス、疲労が増した。

●通所施設

・完全な休園ではないので、利用児童や利用者は登園してきている。保育士・指導員、支援員は、身体的な接触(遊びや介護等は必要であることから、常に感染をしたら、感染をさせてしまったらという緊張感や不安の中で支援をしている。そのため必要以上の疲労感を感じてしまう。

・また日常的には電車等公共交通機関の使用や、休日含めた体調管理(一日数回の体温チェックや消毒)にも、かなりの神経を使いながら対応している。少しの体調の変化にも必要以上に過敏になり、常に気を張っている状態が休日も続き、疲労がとれない。

●入所施設

・施設は利用者にとっては家庭であり、支援員は生活を支えることであり、家族のような存在であると考える。しかし、それ故に身体的な接触は多く、食事、入浴、排せつ、洗面等身体接触をなくした支援はあり得ない。

しかし、感染予防の観点から考えると、ある程度の距離は保つ必要があるのだが、現実問題難しいというだけでなく、その距離を取らないといけないという意識が支援を受ける側にも影響を及ぼしていることは確実にあると感じている。

・また、職員側ももし自分自身が感染者となって、利用者に感染させてしまったらという不安は絶えず感じており、そのことに対しての緊張感が疲労感につながっていた。

・もし感染者がでたらという不安感は支援員側にかなり強く響いている。入所施設に関しては支援を中断することは出来ない。なので、もし利用者、支援員に一人でも出た場合、どのように対応するべきなのかということももちろんだが、職員も施設から出れず、休息も取れずに数週間程度勤務にあたることになるのではないかなどの不安や緊張感は大きい。

・近くの病院において感染者が出た際に、その病院で働いている家族の子どもが‘コロナがでた病院で働いている家族がいる’事で、いじめられているという話があった。このような理解のない言動を聞くと、支援員自体の意欲、士気にも大きく影響がある。

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