施設名:社会福祉法人 広島市手をつなぐ育成会

部署名:広島障害者雇用支援センター

都道府県:広島県

内容:

■厚労省事務連絡により、感染拡大防止の観点から在宅訓練へ切り替えた。これについてはもちろんやむを得ない状況であり仕方がない部分ではあることは十分承知している。その上で就労前の職業準備訓練提供施設としての観点では、以下の点が課題として挙げられる。

【施設内での訓練面】

(1)決められた時間までに通所し、決められた訓練スケジュールに参加することの積み重ねで、就労する上で一番基本となる生活リズム=職業生活の確立及び維持をしてきたが、在宅訓練となり、決められた時間に電話をしたり、決められた課題を行ったりしても生活リズムが崩れた利用者がおり、再度生活リズムの立て直しからスタートしたケースがあった。

 

【施設外での訓練面】

(1)施設内訓練を在宅訓練に切り替えた段階で、予定されていた事業所見学や事業所体験実習はすべてキャンセルした。職員が利用者一人ひとりの訓練期間を考慮し、見学や体験実習を計画していたが白紙となった。今後、再度検討・計画していくこととなるが、事業所側のコロナウイルス対策や感染拡大の第二波を考えると、利用者それぞれの訓練期間を踏まえた計画的な見学や体験実習をスケジュール通り実施できるのか、今後も不安が残る。

(2)訓練期間(訓練等給付支給決定期間)が迫り、施設内訓練や体験実習を計画的に積み上げ、自信を取り戻し、満を持して就職に向けた取り組みを実施しようとした段階で、ハローワークへの求人検索や相談が難しくなり、そのまま在宅訓練に入った利用者がいる。本人・家族にとっては期間が半年を切る中で就職活動ができないこと、また緊急事態宣言が解除となったが求人数が極端にないことへの不安感が募っておられる。

【訓練等給付支給決定期間の延長に係る行政の対応】

(1)上記施設内及び施設外訓練への影響を述べたが、これは就労移行支援サービスの性質上、『標準利用期間(最大2年)』が存在するため、職員はその期間内で利用者それぞれの課題を把握し、課題の改善に向けて支援を行うことと並行して、スモールステップで自信を付与し経験値を高めながら最終的に一般就労へ着地させる取り組みを行っている。障害福祉サービスの大前提は『幅広く利用を希望される障害者が同一にサービスを受けること』であり且つ、就労移行支援サービスは限られた支給決定期間であるため、最大2年の中の『1ヶ月』の在宅訓練となった時点で、コロナウイルスの影響を受けずに最大2年間サービスを受けた利用者と比べると、『同一のサービスを受けた』とは言えないと考える。そのため、厚労省事務連絡では『標準利用期間を超えた後の支給決定期間の更新の取扱いについて、積極的に検討されたい』とあるが、行政によっては『今後どうなるか見通しは立てにくいが、標準利用期間内での移行も考えていただきたい。また、事業所として、どれ位の期間が必要か。行政としては最大1年間延長しての就職活動は想定していない。また、本人や保護者は「あと1年」延長してほしいと言われると思うが事業所としての延長期間を記載してほしい。』と回答されたケースがあった。これまで各項目で述べたように、標準利用期間内で十分なサービスが受けられず生活面や求職活動に支障が出ていること、なおかつ今後の見通しも不透明なことから、年度内に標準利用期間を終える利用者については、一律に支給決定期間を1年間延長していただきたい。その上で利用者・家族が安心感を持たれ、我々職員も延長された1年ギリギリまで訓練・就職活動するのではなく、その時々の情勢を見ながら、計画的に一般就労へ着地させる取り組みが行えればと考える。

【一般就労へ移行した利用者】

(1)一般の方同様に、コロナウイルスの影響により丸々1ヶ月自宅待機を命ぜられたケースがあった。この方は、自宅待機1ヶ月後に出勤することとなったが当面は週1勤務となっている。

この方の保護者からは、「生活リズムの維持を含めてどこか利用できる場所がないか」と相談があったが、雇用中であることから就労継続B型等の福祉サービスはもちろん利用できず、結局在宅で過ごされた。このようなケースの場合、特例的にB型利用ができるなどの措置があればいいと考える。

【予算面】

(1)新年度予算でスタートした矢先に、計上していなかった新型コロナウィルス感染症対策にかかる経費がかさんだ。マスクや消毒液、手洗い用の石鹸はもちろんのこと、3密を回避するために作業室や事務室内に飛沫感染防止用の間仕切りを設置したり、床に距離をとるためにしるしをするテープを貼ったりした。その材料費が予想以上にかかった。

(2)在宅訓練を約3週間行ったが、その課題を2回に分けて郵送した。訓練生からはできた課題を送り返してもらった。課題作成にかかる用紙代や郵送費がかなりかかった。予備費を活用したり、他の費目を削ったりして対応しなければいけないが、想定外の出費は痛い。

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